2019年4月21日日曜日

『歌曲源流』の所蔵者

『歌曲源流』の旧所蔵者は京城帝国大学予科教授藤井秋夫氏。京城の書肆で購入したという。
いま、『歌曲源流』の付録を見ると、『海東歌謡』には二冊の写本があり、金壽長と金天澤の二人がそれぞれを所有していたらしい。

「海東歌謡」について

昭和5年3月に京城帝国大学から出版された『海東歌謡』一冊は、六堂崔南堂所蔵写本を底本とした。

ところで、この出版に際しては、本編のみを収録し、附編とか跋文とか印記などを除去したものであることは知られていないので、ここに記載しておく。
1)付編には、金友奎なお9人、76首、および失名氏の歌1首の計77首が収載されてあった。
2)奥付には、「完山人八十翁老歌齋金壽長歌譜改正書」とある。
3)印記は3つ。「老歌齋」「子平」「壽長」・
4)朴謙と周時経の跋文


「内賜記」と「宣賜印」

「内賜記」と「宣賜印」とは同じであるが、「宣■(貝+兄)端輔」、「同文之寶」とも用いる。
世宗22年8月己卯(10日)に、その印記の理由を記す。つまり、鋳字所は印刷のみにて製本しないで下賜したので、世宗は受賜者に対して、3ヶ月以内に製本をしたのち、再度の提出を求めた。その確認印が「内賜記」。

なお、「奎章之寶」という印記もあるが、これは正祖代以降に芸文館で印した。

浅草文庫の印の「浅艸文庫」

浅草文庫の印の「浅艸文庫」は、
*板坂卜斎
文庫の蔵書印。
板坂卜斎の墓碑は、東昌寺境内に残存。林信篤の碑文。