2023年4月8日土曜日

天平九年 典薬寮勘申  疱瘡治方事ー高岡市万葉歴史館の  天平9年川崎 晃先生による現代文

 偶然にインターネットで見つけた記事


http://www1.tcnet.ne.jp/hanahide/tennpyou9nenn.htm


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典薬寮勘申  疱瘡治方事

 傷寒後禁食
   勿飲水、損心胞掌灸不能臥
   大飲食、病後致死
   又勿食肥魚膩魚膾、生魚類、鯉鮪蝦蛆鯖鯵年魚鱸、令泄痢不復救
   又五辛食之、眼精失不明、又諸生菜菓、
   又生魚食之勿酒飲、泄利菜難治、又油脂物、難治
   又蒜與膾合食、令人損、苽與膾合食、病後発
   又飲酒陰陽復病、死病愈後大忌、大食飲酒酔飲水
 傷寒豌豆病治方
   初発覚欲作、即煮大黄五両服之
   又青木香二両、水三升煮取1升、頓服、又取好蜜通身麻子瘡上
   又黄連三両、以水二升煮取八合、服之、又小豆粉和鶏子白付之
   又取月汁水和浴之   
   又婦人月布拭小児
 豌豆瘡滅瘢
   以黄土未塗之、又鷹矢粉土和于猪脂塗上、又胡粉塗上、又白疅未付之
右依、宣旨勧申
   天平九年六月   日   頭
典薬寮勘申  疱瘡治方事

奈良時代医学史の研究 服部敏良 吉川弘文館

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ここからの 典薬寮勘申  疱瘡治方事の訳文は
高岡市万葉歴史館の  川崎 晃先生にお願いして現代文にして頂いたものです

傷寒後禁食
1、水を飲んではならない
2、食べ過ぎ、飲み過ぎは、死ぬ危険もある。
3、脂肪分の多い魚の膾や、鯉、鮪、蝦・カ、鯖、鯵・年魚・鱸などの生魚を食べてはならない。下痢をする。
4、五種の辛味のある蔬菜を食べると、目に悪い。
5、また、生野菜・果物は火を通すこと。
6、また、生魚を食べたら飲酒してはいけない。下痢が治らない。
7、また脂肪分の多い食物をとると治りにくい。
8、蒜と膾を食べ合わせてはいけない。害がある。
9、瓜と膾の食べ合わせは病気をおこす。
10、飲酒は病気をおこし、死に至らしめる。
11、生野菜を食べるとまた病となり死ぬ危険がある。
12、病後、食べ過ぎ、酒の飲み過ぎ、水の飲み過ぎに注意<汗が出ればよい。>

傷寒豌豆病治方
13、発病したら、大黄五両を煎じて服用させる。
14、青木香二両と水三升を煮て、一升を取って、一度に服用する。
15、良い蜜を痘瘡の瘡(かさ)に塗布する。
16、黄連三両を、水二升と混ぜて煮て、八合を服用させる。
17、小豆粉を卵白に混ぜてこれを塗布する。
18、月経水をとって水に混ぜ入浴する。
19、月布(生理用品)で小児をぬぐう。

天然痘の瘡痕(あばた)の治療法
20、黄土の粉末を塗布する。
21、鷹矢粉土と猪の脂を混ぜて塗布する。
22、胡粉を塗布する。
23、また、白?末を塗布する。
24、蜜を塗布する。

以上、宣旨によって答申する。
天平九年六月 日 頭

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