苗代川資料を長年収集してきた大武進氏に敬意を表したい。その文庫の概要は、『平成10年の美山』(2000年7月、私家版)に詳しい。大武氏はその著『薩摩苗代川新考』(平成8年、私家版)において、苗代川に関する玉稿を収録している。俗に言う「在野の研究者」と言うべきであろうが、それは意味の無いカテゴリーである。戦後、田舎から都市へ移動し、村落に人が見えなくなったとき、多くの貴重な資料群が消滅の危機に陥った。当時、南日本新聞の記者であった大武氏は個人の財力で各地の骨董商の店頭で買い求めたという。その振る舞いを賞賛したい。
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