2019年11月3日日曜日

ある韓国人研究者の研究計画 日本統治期朝鮮半島の民衆生活


1.研究計画

題目:民衆生活史の記録と解釈を通じた韓国近代史の再構成

*調査に当たっての基本的な立場
1)事実救済と新たな人文学の成立
 これまで韓国の人文学は、事実の解明に対する作業を怠慢にしてきた。とういわけで、この調査では従来の研究の姿勢を反省し、新たな韓国近代史の再構築のため、事実の究明に励む。
2)今日における「普通の人々」の日常生活を記録
 これまで韓国における人文学研究は、「過去の事実」や「少数のエリート」などに焦点を合わせてきたため、より一般的で現実的な社会的事実からはかけ離れた研究が多かった。従って、今回の調査は「普通の人々」の日常生活に注目し、それを記録する。
3)人文学の時代的な使命
 我々にとって、最も重要な時代は現在に他ならない。また、現在を理解するに当たって、最も重要な時代は近い過去である。知的遠近法によって近い過去の知識に対する需要は多いが、相対的に供給は少ない。開発の熱気と世代間の伝承空間の縮小が日本帝国時代と朝鮮戦争時代の資料を抹殺している。同時代人のために、使い捨ての歴史を記述することよりは、前の時代の資料を発掘することによって、未来のために時代を証言することがより大事である。

調査の目標(以下3次年度までの目標)
1)韓国における新たな人文学の方向を模索
2)人文学のための新たな方法論を提示
3)現代韓国文化のデータベースの構築
4)人文学の学祭研究の実験
5)通時的研究と共時的研究の統合
6)次世代のための人文学者の養成
7)引退後の人文学者が持続的に研究できる場の形成
8)民衆生活を新たな研究対象として位置づけること
9)民衆に自己表現が可能な機会を提供
10)     文化産業のコンテンツの確保
11)     博物館と図書館の活動領域の拡張
12)     人文学における教育課程の革新

調査内容(以下3次年度までの内容)
1)伝記の収集と整理
2)口述伝記の収集方法の標準化
3)資料収集
労働の内容
時代別出来事に対する記憶
朝鮮半島での居住体験のある日本人と中国人の記憶
私が生きてきた20世紀
  ―個人の自転
  ―家族や村共同体などの集団的自伝
4)口述資料に対する研究
口述資料の言語学的研究
口述資料のテキスト化作業
口述資料の保存と活用
資料と文学としての「つぶやき(シンセタリョン)」に関する研究
5)調査の推進のため、市民の積極的な参加を誘導する行事を開催
6)展示会と資料集及び研究書の出版
7)映像資料と映像記録
(具体的な項目は省略)
8)日常生活に使われた遺物と遺跡
  (具体的な項目は省略)
9)文学作品に表れる現代生活と現代の口頭伝承
  (具体的な項目は省略)
10)     現代生活文化史に関する資料調査のための基礎作業
  (具体的な項目は省略)
11)     新たな人文学研究の方法を模索
  ・学問の中から表れる民族主義・植民地主義・階級主義についての確認作業
日常的は民衆生活に基づく新たな人文学研究の方法論の模索
市民達に人文学を新たに認識させる方法を模索
生活文化史的資料の国家的・世界的な活用方案を模索

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