2024年8月25日日曜日

養老4年(720)の「天の香具山」は?

古代諸書に「天の香具山」とある。「天の」という美称からして、ミソロジックな雰囲気を漂わせる。古代的思考による神話的想像力を働かせた「香具山」イメージも各種発表されている。松前健などによる諸事例は当該書に委ね、ここでは割愛する。

 我が関心は、『大倭国正税帳』所収の

「養老4年検欠香山正倉穀壱伯柒拾弐斛柒斗柒升」

や、

「養老7年(723)検欠香山正倉国弐伯伍拾玖斛柒升」

の記事に着目して、その香具山に「正倉」が存在した事実である。大量の欠穀がなぜ発生したかを議論することは他日に委ねたい。

 ここでは、「天の香具山」周辺に、何棟かの正倉が点在していた事実であり、それを含めて「天の香具山」イメージを論じたい。

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