(1)楡皮
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詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000109 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1739 | |
本文 | □□〔楡皮ヵ〕五斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 125 |
横 | 17 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1739(飛9-10上(45)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下切断、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端・左右両辺削り、下端切断。「楡皮(ユヒ)」は、楡白皮あるいは零楡に同じ。ニレ科の落葉高木ユジュの周皮を除いた樹皮あるいは根皮に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』木上に「也尓礼」、『医心方』に「也尓礼、以倍尓礼」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「ヤニレノカハ」(93紀伊年料雑薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、伊勢・美濃・出雲・紀伊各国の年料雑薬としてみえる(50伊勢年料雑薬条・64美濃年料雑薬条・83出雲年料雑薬条・93紀伊年料雑薬条)。楡皮は薬用以外に食用にも供され、皮を剝いだニレの皮を吊して乾かしてから臼でつき粉末にして食した。その工程は、『万葉集』巻十六―三九〇八番歌にもみえる(瀧川政次郎「楡樹楡皮考」『日本上古史研究』七―三、一九六三年)。藤原宮跡北面外濠SD一四五(第一八次調査)から「楡皮」と記した木簡が出土している(『藤原宮木簡一』一六一)。また、天平十一年(七三九)八月二十四日写経司解(正倉院文書続修後集第三十一巻④、『大日本古文書』二―一八四頁)に、「尓礼廿七把○價銭六十六文」とみえる。 |
■研究文献情報
(2)防風
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000112 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1721 | |
本文 | ・/出雲臣首万□/○/出雲臣石寸∥○/〈〉/出雲臣知万呂∥○防風十斤十二□〔両ヵ〕・○〈〉 | |
寸法(mm) | 縦 | (272) |
横 | (25) | |
厚さ | 2 | |
型式番号 | 081 | |
出典 | 藤原宮4-1721(木研11-33頁-2(1)・飛9-11上(65)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削りヵ、下二次的切断ヵ、左欠(割れ)、右欠(割れ)。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 文書 | |
国郡郷里 | ||
人名 | 出雲臣首万□・出雲臣石寸・出雲臣知万呂 | |
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端削りか、下端二次的切断か、左右両辺割れ。薬物の支給に関わる文書であろう。大宝二年(七〇二)九月、出雲狛が臣の姓を賜っている(『続日本紀』同月乙酉条)。「防風(ボウフウ)」は、セリ科の多年草ボウフウの根に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草上・『医心方』に「波末須加奈、波末尓加奈」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「ハマオホ」(2朧月御薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、駿河・伊豆・相模・上野各国の年料雑薬としてみえる(54駿河年料雑薬条・55伊豆年料雑薬条・57相模年料雑薬条・67上野年料雑薬条)。養老雑令によると、銀・銅・穀を量るには大斤、その他には小斤が用いられ(2度地条)、『延喜式』雑式によると、薬用を除き大斤が用いられた(7度量権衡条)。大一斤は一八〇匁(約六七四g)で、大一斤(大一六両)は小三斤(小一斤は小一六両)にあたるから、小一斤は約二二五g、小一両は約一四gである。 |
■研究文献情報
(3)芎窮
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000103 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1727 | |
本文 | ・伊看我評・芎窮八斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 90 |
横 | 24 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1727(荷札集成-148・木研11-33頁-2(5)・飛9-9下(34)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、左削り、右削り。下端切断後表裏から面取り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 荷札 | |
国郡郷里 | 丹波国何鹿郡〈伊看我評〉 | |
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端・左右両辺削り、下端切断の後表裏から面取り。「伊看我評」は、『和名抄』の丹波国何鹿郡にあたる。「芎窮(キュウキュウ)」は、川芎(センキュウ)ともいい、セリ科の多年草センキュウの根茎に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草上・『医心方』に「於无奈加都良久佐」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「オウナカツラクサ」(3中宮朧月御薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、丹波など十二箇国の年料雑薬としてみえる(78丹波年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(4)当帰
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDA64000101 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1728 | |
本文 | ・伊看我評・当帰五斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 94 |
横 | 23 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1728(荷札集成-149・飛20-28上・木研11-34頁-2(6)・飛9-9下(35)) | |
文字説明 | ||
形状 | 下削り、左削り、右削り、上端切断の上表裏ともに面取りする。下端左右両角を削り落とす。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDA64 | |
内容分類 | 荷札 | |
国郡郷里 | 丹波国何鹿郡〈伊看我評〉 | |
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端切断の後表裏から面取り、下端・左右両辺削り。「当帰(トウキ)」は、セリ科の多年草トウキ(和名カラトウキ)の根に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草中に「也末世利、宇末世利、加波佐久」、『医心方』に「宇末世利、也末世利、於保世利、加波佐久」とみえる。『延喜式』典薬寮に、丹波国が当帰を貢納する規定はみえないが(78丹波年料雑薬条)、隣国の但馬国に「当帰十斤」の規定があるなど十七箇国の年料雑薬としてみえる(80但馬年料雑薬条など)。奈良県飛鳥京跡苑池遺構から「当帰二両」(奈良県立橿原考古学研究所『史跡・名勝飛鳥京跡苑池(一)』五一号)と記した木簡が出土している。 |
■研究文献情報
(5)・□□〔決明ヵ〕子四両桃四両桂心三両白芷三両\○□○車前子三両防風三両・/○□両/柏実一両∥○右九物
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000108 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1722 | |
本文 | ・□□〔決明ヵ〕子四両桃四両桂心三両白芷三両\○□○車前子三両防風三両・/○□両/柏実一両∥○右九物 | |
寸法(mm) | 縦 | 173 |
横 | 25 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 011 | |
出典 | 藤原宮4-1722(木研11-33頁-2(3)・飛9-11上(68)) | |
文字説明 | 裏面「柏」は異体字「栢」。 | |
形状 | 上切断後粗い削り、下削り、左削りヵ、右削りヵ。裏面下端部は墨を塗っている。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 文書 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端切断後粗い削り、下端削り、左右両辺削りか。裏面下端部は墨を塗っている。薬物の支給に関わる文書ないし薬物の処方に関する文書であろう。元来、表面二行目と裏面一行目の判読できない箇所に一つずつ薬名が記されていたとすれば、九種類の薬名が記されていたことになり、「右九物」の記載と品数は一致する。 「決明子(ケツメイシ)」は、マメ科の一年草ケツメイ(和名コエビスグサ)の成熟した種子に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草上・『医心方』に「衣比須久佐」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「エヒスクスリ」(58武蔵年料雑薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、駿河など十箇国の年料雑薬としてみえる(54駿河年料雑薬条など)。「桃(トウ)」は、後掲「桃人(トウニン)」(一七五二)を参照。 「桂心(ケイシン)」は、クスノキ科の常緑高木肉桂(ニッケイ。和名ケイ)の幹皮と枝皮に比定される。『本草集注』草木上品に「桂」、『本草和名』木上、『和名抄』に「桂女加豆良」とみえる。藤原宮跡北辺地区から「桂心一両二分」(奈良県『藤原宮』八一号)、飛鳥池遺跡北地区溝SD一一一〇(第八四次調査)から「桂心二両」(『飛鳥藤原京木簡』一―七一一)と記した木簡が出土している。桂心は、『延喜式』典薬寮の諸国進年料雑薬にみえず、国内で自給できなかったらしい。天平勝宝八歳(七五六)六月二十一日献物帳(種々薬帳〈正倉院文書北倉158二巻の内。『大日本古文書』四―一七三頁〉)にみえる大仏に献納された正倉院薬物の桂心は、華南を産地とするものであり、また、奈良時代には新羅との交易で入手した例が知られる(天平勝宝四年六月十五日中臣伊勢連老人買物解〈尊経閣文庫所蔵文書。『大日本古文書』二十五―四五頁〉など)。「白芷(ビャクシ)」は、セリ科の多年草興安白芷(コウアンビャクシ。和名ヨロイグサ)などの根に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草中に「加佐毛知、佐波宇止、与呂比久佐」、『医心方』に「加佐毛知、与呂比久佐、佐波宇止、佐波曽良之」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「ムマクサ」(21近衛府雑薬条)、「ミラネクサ」(50伊勢年料雑薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、大和など十八箇国の年料雑薬としてみえる(46大和年料雑薬条など)。藤原宮跡北辺地区から「白芷二両」(奈良県『藤原宮』七四号)と記した木簡が出土している。「車前子(シャゼンシ)」は、オオバコ科の多年草車前(シャゼン。和名オオバコ)などの種子に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』草上に「於保波古」、『医心方』に「於保波己」とみえ、『延喜式』典薬寮に、大和など十七箇国の年料雑薬としてみえる(46大和年料雑薬条など)。藤原宮跡北辺地区から「車前子一升」(奈良県『藤原宮』七五号)と記した木簡が出土している。 「防風(ボウフウ)」は、一七二一。「 栢実(ハクジツ)」は、ヒノキ科の常緑高木側柏(ソクハク。和名コノテガシワ)の種子に比定され、「栢子仁(ハクシジン)」に同じ。『本草集注』草木上品、『本草和名』木上に「比乃美、加倍乃美」、『医心方』に「比乃美」とみえ、『延喜式』典薬寮に、参河など五箇国の年料雑薬としてみえる(52参河年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(6)〓茄十斤
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000101 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1746 | |
本文 | 〓茄十斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 125 |
横 | 20 | |
厚さ | 2 | |
型式番号 | 031 | |
出典 | 藤原宮4-1746(木研11-34頁-2(11)・飛9-9下(41)) | |
文字説明 | 「〓」は「くさかんむり」に「五」。 | |
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ属△ | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。「〓(草冠+五)(五)茄(皮)(ゴカ・ゴカヒ)」は、ウコギ科の落葉低木ゴカなどの根皮に比定される。『本草集注』草木下品、『本草和名』木上に「牟古岐」、『医心方』に「牟古支」とみえ、『延喜式』典薬寮に、伊勢など十一箇国の年料雑薬としてみえる(50伊勢年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(7)瞿麦一斤十両
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000106 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1743 | |
本文 | 瞿麦一斤十両 | |
寸法(mm) | 縦 | 115 |
横 | 13 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1743(木研11-34頁-2(12)・飛9-10上(44)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右切り込みより上は削り、下は割れ。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 追柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上下両端・左辺削り、右辺切り込みより上は削り、下は割れ。 「瞿麦(クバク)」は、ナデシコ科の多年草クバク(和名エゾカワラナデシコ)、あるいは石竹(セキチク)の花を含む全草に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草中・『医心方』に「奈天之古」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「トコナツ、ナテシコ」(49伊賀年料雑薬条)、『和名抄』に「奈天之古、止古奈豆」とみえ、『延喜式』典薬寮に、伊賀など六箇国の年料雑薬としてみえる(49伊賀年料雑薬条など)。『万葉集』にも、なでしこを「瞿麦」と表記する例がみえる(巻三―四六七番歌題詞、巻八―一五〇〇番歌・一五四二番歌・一五五三番歌・一六一四番歌、巻十―一九七六番歌)。 |
■研究文献情報
(8)人参
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDB64000102 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1733 | |
本文 | 人参十斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 129 |
横 | 20 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1733(木研11-34頁-2(9)・飛9-9下(39)・日本古代木簡選) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | 針葉樹材C(ヒノキ科)△ | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDB64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「人参(ニンジン)」は、ウコギ科の多年草ニンジン(和名オタネニンジン)の根に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』草上に「加乃尓介久佐、尓己太、久末乃以」、『医心方』に「加乃尓介久佐、尓己太、クマノイ」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「ニコタクサ」(18斎宮寮雑薬条)とみえ、『延喜式』典薬寮に、摂津など十箇国の年料雑薬としてみえる(47摂津年料雑薬条など)。藤原宮跡東面外濠SD一七〇(第二七次調査)から「人参一両」と記した木簡が出土している(『藤原宮木簡三』一一〇八)。 |
■研究文献情報
(9)桔梗
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000131 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1725 | |
本文 | 无耶志国薬桔梗卅斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 191 |
横 | 18 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 033 | |
出典 | 藤原宮4-1725(荷札集成-73・木研11-34頁-2(8)・飛9-9下(37)・日本古代木簡選) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り、上端表裏とも面取りする。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 荷札 | |
国郡郷里 | 武蔵国〈无耶志国〉 | |
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。「无耶志国」は、『古事記』にも「無耶志」とみえる武蔵国の古様な国名表記である(天安河之宇気比段)。「桔梗(キキョウ)」は、キキョウ科の多年草キキョウの根に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草下・『医心方』に「阿利乃比布岐、乎加止〻岐」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「アリノヒフキクサ」(19内匠寮雑薬条など)、『新撰字鏡』に「阿佐加保、岡止〻支」とみえ、『延喜式』典薬寮に、武蔵など二十四箇国の年料雑薬としてみえる(58武蔵年料雑薬条など)。「无耶志国」の表記は、一七二六にもみえるとともに、国の下に「薬」とあり、早い段階の「国薬」として国を単位とした薬物貢納の姿が窺われる(丸山裕美子「延喜典薬式「諸国年料雑薬制」の成立と『出雲国風土記』」前掲)。 |
■研究文献情報
(10)
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000102 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1726 | |
本文 | 无耶志国薬烏 | |
寸法(mm) | 縦 | 162 |
横 | 17 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1726(飛20-31下・荷札集成-74・木研11-34頁-2(7)・飛9-9下(36)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り、上端緩やかな圭頭形。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 荷札 | |
国郡郷里 | 武蔵国〈无耶志国〉 | |
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。「烏」は不詳だが、『延喜式』典薬寮に烏頭がみえ(58武蔵年料雑薬条)、あるいはこれを指すか。「 烏頭(ウズ)」は、キンポウゲ科の多年草ウズ(トリカブト)の野生種北烏頭(ホクウズ。和名エゾトリカブト)あるいはその他多種の同属植物の塊根に比定される。『本草集注』草木下品、『本草和名』草下に烏〓(喙の別字)・天雄・附子・側子と共に「已上五種和名於宇」、『医心方』に「於宇」とみえ、『延喜式』典薬寮に、武蔵・近江・下野各国の年料雑薬としてみえる(58武蔵年料雑薬条・63近江年料雑薬条・68下野年料雑薬条)。『唐律疏議』巻十八、賊盗律に毒薬の一つとしてみえ(16以毒薬薬人条)、日本律にも同様にみえる(16毒薬条)。 |
■研究文献情報
(11)棑子一斗
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000122 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1749 | |
本文 | 棑子一斗 | |
寸法(mm) | 縦 | 91 |
横 | 13 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1749(飛9-10下(55)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「棑(榧)子(ヒシ)」は、イチイ科の常緑高木榧(ヒ。和名カヤ)の種子に比定される。『本草集注』草木下品に「榧実」、『本草和名』木下・『医心方』に「榧実○加倍乃美」とみえ、『延喜式』典薬寮に、大和など二十四箇国の年料雑薬としてみえる(46大和年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(12)大戟
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000103 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1744 | |
本文 | 大戟 | |
寸法(mm) | 縦 | 103 |
横 | 20 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1744(木研11-34頁-2(15)・飛9-10上(48)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下切断、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端・左右両辺削り、下端切断。「大戟(ダイゲキ)」は、トウダイグサ科の多年草ダイゲキ(和名タカトウダイ)などの根に比定される。『本草集注』草木下品、『本草和名』草下・『医心方』に「波也比止久佐」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「ヒヽラキ」(6雑給料条)、国立歴史民俗博物館蔵田中教忠旧蔵土御門本(以下、土御門本)『延喜式』典薬寮に「ムヤヒトクサ」とみえ(18斎宮寮雑薬条)、『延喜式』典薬寮に、大和など十一箇国の年料雑薬としてみえる(46大和年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(13)蛇床子一升
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000104 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1738 | |
本文 | 蛇床子一升 | |
寸法(mm) | 縦 | 87 |
横 | 14 | |
厚さ | 2 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1738(木研11-34頁-2(16)・飛9-10上(49)) | |
文字説明 | 「蛇」は異体字「虵」。 | |
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「蛇床子(ジャショウシ)」は、セリ科の一年草ジャショウの果実に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』草上・『医心方』に「比留无之呂、波末世利」とみえ、『延喜式』典薬寮に、尾張など十箇国の年料雑薬としてみえる(51尾張年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(14)蛇脱皮
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000111 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1751 | |
本文 | 蛇脱皮一□ | |
寸法(mm) | 縦 | 92 |
横 | 16 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1751(木研11-34頁-2(17)・飛9-10上(51)) | |
文字説明 | 「蛇」は異体字「虵」。五文字目は「斗」または「升」か。 | |
形状 | 上削りヵ、下切断、左削り、右削り、二片分離。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端削りか、下端切断、左右両辺削り。五文字目は助数詞で、斗または升か。 「蛇脱皮(ダダッピ)」は、「蛇脱(蛻)(ダゼイ)」ともいい、ヘビ科の多種の動物の抜けがらに比定される。『本草集注』虫獣下品、『本草和名』虫魚類・『医心方』に「倍美乃毛奴介」、土御門本『延喜式』典薬寮に「クチナハノモヌケ」とみえ(49伊賀年料雑薬条)、『延喜式』典薬寮に、伊賀など六箇国の年料雑薬としてみえる(49伊賀年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(15)白朮
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000112 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1731 | |
本文 | 白朮四□ | |
寸法(mm) | 縦 | 90 |
横 | 16 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1731(木研11-34頁-2(19)・飛9-10上(52)) | |
文字説明 | 四文字目は「斗」または「升」であろう。 | |
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。上端左右にわずかに切り込みの痕跡が残る。 | |
樹種 | ヒノキ△ | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。上端左右にわずかに切り込みの痕跡が残る。四文字目は助数詞で、斗または升であろう。 「白朮(ビャクジュツ)」は、キク科の多年草ビャクジュツ(和名オオバナオケラ)の根茎に比定される。『本草集注』草木上品に「朮」、『本草和名』草上・『医心方』に「朮○乎介良」とみえ、『延喜式』典薬寮に、山城など三十三箇国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条など)。天武天皇十四年(六八五)九月、天皇の病のために誦経が行なわれ、十月、十一月には白朮を煎じさせたとみえる(『日本書紀』同年九月丁卯条、十月庚辰条、十一月丙寅条)。現在でも胃腸薬に配合されており、日本古典文学大系『日本書紀』下(岩波書店、一九六五年)の頭注は胃薬として用いたと解釈する。『万葉集』には、「うけら」の語で東歌武蔵国歌に二首みえるほか(巻十四―三三九三番歌・三三九七番歌)、国不詳の相聞歌一首にもみえる(巻十四―三五二四番歌)。 |
■研究文献情報
(16)「独活(ドッカツ)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000119 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1737 | |
本文 | 独活十斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 88 |
横 | 21 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1737(木研11-34頁-2(20)・飛9-10下(53)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「独活(ドッカツ)」は、セリ科の多年草毛当帰(モウトウキ。和名シシウド)などとウコギ科の多年草食用楤木(ショクヨウソウボク。和名ウド)などの根と根茎に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』草上・『医心方』に「宇止、都知多良」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「ムマタラ」(1元日御薬条)、『新撰字鏡』に「宇度、乃太良」とみえ、『延喜式』典薬寮に、山城など二十七箇国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条など)。平城宮跡内裏北方官衙地区南北溝SD二七〇〇B(第一二九次調査)から「独活壱両」(『平城木簡概報』十五―一二頁下)、藤原宮跡朝堂院回廊東南隅溝SD九八一五(第一二八次調査)から「独活五両」(『藤原木簡概報』十八―一八頁上)と記した木簡が出土している。 |
■研究文献情報
(17)葛根(カッコン)」
詳細葛根(カッコン)」
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000120 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1741 | |
本文 | 葛根六斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 79 |
横 | 19 | |
厚さ | 5 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1741(木研11-34頁-2(21)・飛9-10下(54)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「葛根(カッコン)」は、マメ科のつる性木本葛(カツ。和名クズ)の塊根に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草中・『医心方』に「久須乃祢」、元和本『和名抄』に「久須加豆良乃祢」とみえ、『延喜式』典薬寮に、山城・伊勢・近江・紀伊各国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条・50伊勢年料雑薬条・63近江年料雑薬条・93紀伊年料雑薬条)。『本草集注』によると、五月五日の日中に採り、屑にするという。推古天皇十九年(六一一)五月五日、同二十年五月五日および同二十二年五月五日に薬猟の記事がみえ(『日本書紀』同日条)、和田萃は、この頃までに五月五日の薬猟が宮廷行事として確立していたのではないかという(和田「薬猟と本草集注―日本古代における道教的信仰の実態」前掲)。 |
■研究文献情報
(18)「黒石英(コクセキエイ)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDC64000121 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1729 | |
本文 | ・黒石英十一・斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 82 |
横 | 17 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1729(木研11-34頁-2(27)・飛9-10下(61)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDC64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「黒石英(コクセキエイ)」は、鉱物性の生薬で、『名医別録』・『本草集注』の白石英(ハクセキエイ)の項には、白石英のうち黒端を黒石英というとある。白石英は、酸化物類の鉱物の鉱石。白石英・紫石英(シセキエイ)は『本草集注』玉石上品、『本草和名』玉石上にみえる。『医心方』に「紫石英○出伯耆国」「白石英○出近江備中大宰」とみえ、産地が示される。内濠SD一四〇〇から、白石英が出土している。なお、黒石英は、紫石英(あるいは紫水晶)の色の濃いものとする理解もある(立木修「藤原宮出土の薬物木簡と古代医療の一側面」前掲)。 |
■研究文献情報
(19)「夜干(ヤカン)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDD64000113 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1723 | |
本文 | ・□□□〔夜干ヵ〕三両杜中・〈〉 | |
寸法(mm) | 縦 | (107) |
横 | 14 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 081 | |
出典 | 藤原宮4-1723(木研11-33頁-2(4)・飛9-11上(69)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上欠(折れ)、下欠(折れ)、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDD64 | |
内容分類 | 文書 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上下両端折れ、左右両辺削り。薬物の支給に関わる文書ないし薬物の処方に関する文書であろう。 「夜干(ヤカン)」は、アヤメ科の多年草射干(ヤカン。和名ヒオウギ)の根茎に比定される。『本草集注』草木下品、『本草和名』草下に「加良須阿布岐」、『医心方』に「加良須安不岐」とみえ、『延喜式』典薬寮に、山城など十六箇国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条など)。「杜中(仲)(トチュウ)」は、トチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』木上に「波比末由美」、『医心方』に「波比末由三」、内閣文庫本などの『延喜式』典薬寮に「ハヒマユカ」とみえ(51尾張年料雑薬条)、『延喜式』典薬寮に、摂津など十三箇国の年料雑薬としてみえる(47摂津年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(20)知苺(母)(チモ)」
■詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDD64000111 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1742 | |
本文 | 知苺五斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 156 |
横 | 18 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 031 | |
出典 | 藤原宮4-1742(木研11-34頁-2(23)・飛9-10下(57)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ△ | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDD64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 知苺(母)(チモ)」は、ユリ科の多年草チモ(和名ハスナゲ)の根茎に比定される。『本草集注』草木中品、『本草和名』草中に「也末止古呂」、『医心方』に「也末止己呂、也末志」とみえ、『延喜式』典薬寮に、摂津など八箇国の年料雑薬としてみえる(47摂津年料雑薬条など)。藤原宮跡西面内濠SD一四〇〇(第一〇次調査)から「知母九斤」と記した木簡が出土している(『藤原宮木簡一』四九〇)。 |
知母は薬物。和名をヤマシまたはヤマトコロモという(『本草和名』『医心方』)。陶弘景の『本草注』によると解熱作用がある。上端の左辺を除いてほぼ原形をとどめるが、全体に腐蝕がはなはだしく、墨痕は追いにくい。 |
■研究文献情報
(21)「牛膝(ゴシツ)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDD64000112 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1735 | |
本文 | 牛膝十三斤 | |
寸法(mm) | 縦 | 144 |
横 | 18 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 031 | |
出典 | 藤原宮4-1735(木研11-34頁-2(24)・飛9-10下(58)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 板目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDD64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「牛膝(ゴシツ)」は、ヒユ科の多年草ゴシツの根に比定される。『本草集注』草木上品、『本草和名』草上に「為乃久都知、都奈岐久佐」、『医心方』に「為乃久都知、川奈岐久佐」とみえ、『延喜式』典薬寮に、山城など十七箇国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条など)。 |
■研究文献情報
(22)桃人(仁)(トウニン)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDD64000102 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1752 | |
本文 | 桃人七升 | |
寸法(mm) | 縦 | 81 |
横 | 18 | |
厚さ | 4 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1752(木研11-34頁-2(26)・飛9-10下(60)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削り、下削り、左削り、右削り。 | |
樹種 | ヒノキ科# | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDD64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 四周削り。 「桃人(仁)(トウニン)」は、バラ科の落葉小高木桃(トウ。和名モモ)または山桃(サントウ)の種子に比定される。『本草集注』果下品に「桃核」、『本草和名』果・『医心方』に「桃核○毛〻」、内閣文庫本『延喜式』典薬寮に「桃仁○モヽサネ」とみえ(3中宮臘月御薬条)、『延喜式』典薬寮に、山城など四十一箇国の年料雑薬としてみえる(45山城年料雑薬条など)。藤原宮跡東面外濠SD一七〇(第二七次調査)から「桃人一升」と記した木簡が(『藤原宮木簡三』一一〇八)、藤原宮跡北辺地区から「桃子一二升」と記した木簡が出土している(奈良県『藤原宮』七七号)。 |
■研究文献情報
(23)「流(硫)黄(リュウオウ)」
詳細
URL | https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AJLDZ64000101 | |
---|---|---|
木簡番号 | 1730 | |
本文 | □流黄一□ | |
寸法(mm) | 縦 | 108 |
横 | 22 | |
厚さ | 3 | |
型式番号 | 032 | |
出典 | 藤原宮4-1730(木研11-34頁-2(28)・飛9-10下(62)) | |
文字説明 | ||
形状 | 上削りヵ、下削り、左削り、右削りヵ。 | |
樹種 | スギ△ | |
木取り | 柾目 | |
遺跡名 | 藤原宮跡西面南門地区 | |
所在地 | 奈良県橿原市四分町 | |
調査主体 | 奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部 | |
発掘次数 | 藤原宮第58-1次 | |
遺構番号 | SD1400 | |
地区名 | 6AJLDZ64 | |
内容分類 | 付札 | |
国郡郷里 | ||
人名 | ||
和暦 | ||
西暦 | ||
木簡説明 | 上端・右辺削りか、下端・左辺削り。 「流(硫)黄(リュウオウ)」は、鉱物性の生薬で、硫黄(イオウ)のこと。『本草集注』玉石中品に「石流黄」、『本草和名』玉石中に「由乃阿加」、『医心方』に「石流黄○由乃阿和」、『和名抄』に「流黄○本草䟽云、石流黄焚石液也。和名由乃阿和俗云由王」とみえ、『延喜式』典薬寮に、相模・信濃・下野各国の年料雑薬としてみえる(57相模年料雑薬条・66信濃年料雑薬条・68下野年料雑薬条)。内濠SD一四〇〇から、硫黄が出土している。『延喜式』典薬寮によると、左右馬寮に馬薬として年六升四合が支給されていた(24馬寮雑薬条)。『同』左右馬寮に毎季「硫黄一升六合」を官に申して請受けよとみえ、その数量は一致している(35馬薬条)。 |
■研究文献情報
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