説経何奇特 経を説いて 何ぞ奇特なる
曽見伊物書 曽て見る 伊物(伊藤仁斎と荻生徂徠の書)
後出加邃密 後に出でて 邃密を加う
仁斎未是疎 仁斎 未だ是れ疎ならず
且須平心看 且に須らく平心に看るべし
一切門戸除 一切 門戸を除きて
精里儘老学 精里(古賀) 侭く老学(程朱学)
遠溯洛閩余 遠く洛閩に溯る余り
因之及我邦 之れに因りて 我が邦に及ぶ
節要退渓書 節要 退渓の書
筆法亦淳古 筆法も亦た淳古
想必其人如 想うに必ずや其の人の如し
邇来和人文 邇来 和人の文
頗愛篠本廉 頗る愛す 篠本廉
解脱文字陋 解脱す 文字の陋
瓣香八家拈 弁香 八家(唐宋八大家)を拈む
紙鳶収放妙 紙鳶 放妙を収め
古董義理厳 古董 義理厳なり
俊逸三宅邦 俊逸 三宅邦
超抜出等夷 超抜 等夷を出づ
觥觥説古義 觥觥と 古義を説けば
下士大笑之 下士 大いに之れを笑う
声聞遂不及 声聞 遂に及ばず
海雲渺遠思 海雲 遠思渺かなり
文晁妙画諦 文晁 妙画の諦
恰似董思白 恰かも董思白に似たり
淋漓善用墨 淋漓 善く墨を用う
烟翠濃欲滴 烟翠 濃やかにして滴らんと欲す
流観名山図 名山図を流観すれば
富士在几席 富士は几席に在り
唐以前旧文 唐以前の旧文
尚今在足利 尚お今に足利に在り
拙古破体書 拙古 破体の書
恰是斉梁字 恰かも是れ斉梁の字
誰知百済時 誰か知らん 百済の時
還復我之自 還って復た我より之れ自る
七経与孟子 七経・孟子(山野井鼎『七経孟子考文』)と
考文析楼細 考文 析楼細
昔見阮夫子 昔見る 阮夫子さくさく
嘖歎精詣 嘖嘖 精詣を歎ず
随月楼中本 随月楼中の本
翻雕行之世 翻雕して 之れを世に行う
隋唐残本書 隋唐 残本の書
中国之所遺 中国の遺す所
並収佚存中 並びに収む 佚存(林述斎撰『佚存叢書』)中
片羽亦珍奇 片羽 亦た珍奇
嗟哉孝経注 嗟哉 孝経注
同帰梅頤偽 同に帰す 梅頤の偽と
篆刻有漢法 篆刻 漢法有り
精雅蒹葭堂 精雅 蒹葭堂(『東華名公印譜』、宝暦甲申三月、一七六四年)
古梅御油烟 古梅 油烟を御し
直欲抗程方 直ちに程方に抗せんと欲す
借問長崎舶 借問す 長崎の舶
西梅翰墨光 西梅 翰墨の光
人見和泉字 人見和泉守
頼以金索伝 頼、金索を以て伝わる
蘇米斎中老 蘇米斎(翁方綱の号)中の老
斤斤説奝然 斤斤 奝然を説く
海天理旧夢 海天 旧夢を理む
廻首三十年 回首 三十年
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